令和七年度 大学入学共通テスト追試験 公共、政治・経済 第5問 問5

問題

生徒Xは、生存権について調べた。生存権に関する記述として最も適当なものを、次の①〜④のうちから一つ選べ。

①朝日訴訟において、最高裁判所は、当時の生活保護基準は最低限度の生活水準を維持できないため憲法違反であると判断した。
②堀木訴訟において、最高裁判所は、生存権保障のための立法について国会の裁量の余地はないと判断した
③日本国憲法は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障しており、この権利を具体化するものとして生活保護法が定められている。
④日本国憲法は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障するため、この権利を具体化するものとして生活保護基準を条文で定めている。

#日本国憲法と人権(社会権)

解説

正解:③

・消去法でも「他の選択肢は知らんがこれが正解でしょ」でも解ける、簡単な知識問題である
⇒何度でも言うが、この手の基本問題を落とさないようにするところから受験勉強は始まる。難問奇問をどうこうするより、こういう問題を落とさないようにする事の方が大事である

・選択肢①~④まで全て、生存権の話である。間違えた場合は必ず復習をしよう
⇒私の授業用資料の「復習用資料:政治分野第二章/日本国憲法と人権(社会権)」の「生存権」の項目に、①〜④の内容はすべて整理してある

①朝日訴訟において、最高裁判所は、当時の生活保護基準は最低限度の生活水準を維持できないため憲法違反であると判断した。

・誤文である
⇒生存権と言えば朝日訴訟と堀木訴訟(本当は食糧管理法違反事件も勉強した方がいいが、受験で出やすいのはこの二つ)だが、この二つの裁判はどちらも違憲判決は出ていない

②堀木訴訟において、最高裁判所は、生存権保障のための立法について国会の裁量の余地はないと判断した

・誤文である
⇒終戦直後の食糧管理法事件以来、生存権に対する最高裁の態度は“憲法二十五条は努力目標ですよ”“何が最低限度の生活かは国が決めますよ”である。基本的には、立法の段階では国会が好きなように決めていいのである

③日本国憲法は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障しており、この権利を具体化するものとして生活保護法が定められている。

・正文である
⇒憲法二十五条に書かれた生存権を具体化した法律こそが、生活保護法だと言ってよい

④日本国憲法は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障するため、この権利を具体化するものとして生活保護基準を条文で定めている。

・誤文である
⇒生活保護の基準という事は、例えば貯金が何万円未満だったら生活保護の対象、とかそういう話が憲法に書いてある、という話なのだが…ちゃんと政経を勉強している人なら分かると思うが、憲法は基本、ふわっとした事しか書いていない。そんな具体的な事は書かないのが憲法である

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